外構の寿命と手入れ

家は私たちが生活する上で無くてはならないものです。

その中で外構は家の顔であり、私たちの暮らしを守るとても大切な役割を担っています。外構も時間が経つにつれいつかは使用できなくなってしまいます。ただ、手入れやメンテナンス次第で外構寿命を延ばすことも可能です。

この記事は外構の寿命と適正な手入れを知り、暮らしを快適に過ごす参考にしてただければと思います。


●耐用年数

外構の寿命のことを耐用年数と呼びます。

耐用年数とは建物や機械が使用に耐えられ無くなるまでの年数のことを指します。

材料の損耗や劣化などの物理的な耐久性だけではなく、機能的、経済的な意味を含めた利用可能年数のことを言います。

この耐用年数は、国税庁が法令で定めており「法定耐用年数」とも言われます。

固定資産の減価償却費を計算するためにも必要で、経費の計上もこの年数を基に算出されます。


また、耐用年数と似た言葉で「耐久年数」と言われるものもあります。

耐久年数とは各メーカーが独自で調査・実験を基に定めており「製品が問題なく使用できる期間」として公示されています。


「耐用年数」と「耐久年数」共に似た意味合いを持っていますが、使用できる期間は環境や使用の仕方などで左右されますので、あくまでどちらも参考程度で考えておきましょう。


●外構工事の耐用年数

実際に外構・エクステリア工事の耐用年数を施工場所別に見ていきましょう。


●塀や門扉、フェンス

鉄筋コンクリート造り・・・・約30年

石造り・・・約35年

コンクリート・・・約15年

木造や金属製・・・約10年


塀や門扉、フェンスは破損や劣化の影響は見た目の印象だけではなく、家の防犯面や安全性にも大きく関わってくる重要な場所になるので定期的なメンテナンスが必要です。


●駐車スペース

アスファルト…約10年

コンクリート…約15年

側溝…約15年

外周フェンス…約10年

自転車置き場…約7年

ポリカーボネート製のカーポートの屋根…約15年


駐車場は土間コンクリートかによって耐用年数が大きく異なります。どのような駐車スペースにするかは家のスペースや車の出し入れのしやすさなどを考慮して設置する必要があります。


テラス・花壇

金属製テラス…約15年

木製テラス…約8年

花壇…約10年

庭木…約20年


テラスは環境やメンテナンスの状況によって寿命が大きく異なります。長持ちさせるためにはシェードの張り替えや塗り替えなど、耐用年数と関わらずこまめな点検とメンテナンスが大切です。


●外構のメンテナンス方法

外構は日光・雨・風・汚れなどの気候や外部環境を常に受けており、その影響で劣化してしまいます。

素材としての寿命はもちろんありますが、定期的なメンテナンスを行うことにより、外構の寿命を伸ばし、価値を高めることができます。

実際にエクステリアをメンテナンスする際には、どのような方法を取れば良いのかを見ていきましょう。

エクステリア別よりかは、使用されている素材別でお手入れの方法を変える必要がありますので、素材別で紹介していきます。



アルミのエクステリア

一般的にアルミは錆びにくく、耐久力も高いため頻繁にメンテナンスをしなければいけないものではないですが、当然表面に汚れが付着することはありますし、汚れを長期的に放置しておくとそこから腐食が始まることもあるため、綺麗にしておくに越したことはありません。


メンテナンス方法は、軽い汚れであれば水拭きし柔らかい布で乾拭きするだけで十分取れます。

頑固な汚れの場合は中性洗剤を薄めたものとスポンジで綺麗にし、そのあと乾拭きをします。

角や隅に洗剤が残らないように注意してください。放置してしまうと腐食の原因となります。

また、スチールウールをはじめとする硬い素材でこすると表面に傷ができてしまいますし、砂などが付着した状態でこすっても同様に傷ついてしまうため、まずは水で軽く汚れを洗い流してから掃除するようにしましょう。



●ステンレスのエクステリア

ステンレスは鉄やアルミなどに比べて錆びにくく耐食性に優れていますが、使用条件や環境によっては錆びたり傷つくこともあるので早めに対応が必要です。


普段のお手入れはアルミ同様、水拭きし柔らかい布で乾拭きするだけで十分美しさを保つことができます。

もし、錆が発生している場合は中性洗剤をつけて拭き取るか、市販のステンレス用清掃薬液も効果があります。

いずれの場合も、必ず水拭きをして薬品が残らないように気をつけてください。


●コンクリートのエクステリア

エクステリアの床部分やブロック塀などをはじめ、コンクリートを利用している外構は多いと思います。

コンクリートも頻繁にお手入れする必要のないエクステリアとして知られていますが、汚れをそのまま放置してしまうとひび割れなどの原因になりますので、定期的に掃除することでその異変に早めに気づき防ぐことができます。

簡単な汚れであれば水やアルカリ性の洗剤、重曹などを使いブラシなどで擦れば落とすことができます。

コンクリートの成分はアルカリ性のため、酸性の洗剤は使用NGです。

酸性の洗剤を使用してしまうとコンクリートを傷めてしまうため、掃除をする時は中性かアルカリ洗剤を使うようにしましょう。


●アクリル樹脂のエクステリア

アクリル樹脂は耐候性・耐久性に優れており、錆びる心配がないので管理の手間は少ない素材となります。

ただ、他の素材と同様で付着した汚れを長期間そのままにしておくと変色など腐食の原因になりますので定期的なお手入れは必要になります。


汚れが軽い場合は柔らかい布やスポンジで水拭きの後、乾拭きで掃除をします。

汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた液で汚れを落とし、洗剤が残らないように水洗い、その後乾拭きをしてください。

アクリル樹脂はシンナー・ベンジン・ガラスクリーナーなどの有機溶剤や熱湯などを使用してしまうと破損や変形、溶解のおそれがあるので使用しないように注意が必要です。


●木製のエクステリア

木製エクステリアは他の素材に比べ普段からの手入れが大切になります。砂ぼこりなどを放置しておくと劣化が進行し、木を腐らせてしまう場合がありますので、ほうきなどでの掃き掃除を日頃からすることで防ぐことができます。

板と板の間に詰まった砂埃は見逃しやすいので歯ブラシや綿棒など先の細いものを使って取り除いて下さい

掃いても落ちない汚れなどは水で濡らし、中性洗剤を使用しデッキブラシなどで軽くこすると落ちます。その後は水で綺麗に洗い流しましょう。

また、木材を長持ちさせるためには木材専用の保護塗料を1〜2年に1回塗ると良いと言われています。

塗装をする際は、表面の砂埃や汚れを水などできちんと洗い流してから完全に乾燥させ、その上から塗装するようにしましょう。



●まとめ

外構の寿命とお手入れ方法について見てきました。

冒頭でも記載しましたが、外構は家の顔となる場所です。

外構は長年使用するものになりますので、破損やこびりついて取れない汚れなどはプロに頼むことも頭に入れておくことも大切です。

オシャレでキレイな状態を長く保つためにも適切な情報を知り、長く快適な状態を保てるようにしましょう。


アーカイブ

人気記事